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日本大学ドイツ文学科

映画『ジョジョ・ラビット』を観てきました!

更新日:2020年2月10日

 現在公開中の映画、『ジョジョ・ラビット』を観てきました。第29回アカデミー賞で、作品賞、助演女優賞(スカーレット・ヨハンソン)など6部門に現在ノミネートされている作品です。



アメリカ製作の映画ですが、舞台は第二次世界大戦下のドイツ。主人公である10歳の少年ジョジョは、立派な兵士になることを夢見て、ヒトラーユーゲントに参加している。内気なジョジョには、イマジナリーフレンド(架空の友達)がいて、彼に助けられながら、日々奮闘しています。ある日ジョジョは、明るくて快活な母と2人で暮らす家の屋根裏に、ユダヤ人の少女エルサが匿われていることに気づく。ジョジョが初めて触れ合うユダヤ人であるエルサが、これまで教えられてきたユダヤ人のイメージとは全く違う、自分と同じ普通の人間であることを感じていくというストーリーです。



ジャンルはコメディーなのですが、第二次世界大戦下のドイツを舞台としているため、当時の複雑な状況もしっかり描かれていて、とても奥行きのある素敵で面白い作品でした。


 さて、この『ジョジョ・ラビット』で注目なのは、主人公ジョジョのイマジナリーフレンド。なんと、ヒトラーなんです!

このヒトラー、従来のイメージを下敷きにしならがも、あくまで少年が空想している人物なので、なぜかコミカル。ピエロのような役回りのヒトラーを、はじめは「笑っていいのか…?」と思いながら観ていましたが、思わず吹き出してしまうシーンがいくつもありました。


 実在した歴史上の独裁者であるヒトラーを映画作品に登場させることは、これまで何度も試みられてきましたが、ここまでコミカルに描いてしまう大胆さには、ちょっとビックリです。

そんな映画とヒトラーの関係ですが、2000年代以降、映画作品におけるヒトラーの描かれ方が変化したように感じます。例えば、ヒトラーの人間的側面を描いた『ヒトラー~最期の12日間~』(2004)、コメディータッチで描かれた『帰ってきたヒトラー』(2012)は、大量虐殺を指示した独裁者という悪の記号ではなく、ヒトラーの人間像を表現することにチャレンジした作品です。

ドイツにおいて未だ最大のタブーであるヒトラーですが、戦後50年以上が経過し、捉え方が変化してきたのかも知れません。その背景には、積み重ねられたヒトラー研究の功績もあるでしょう。

ドイツ文学科には、そんなヒトラー関係の映画や、幅広いジャンルのドイツ映画、ドイツ関係の映画のDVDが揃っています!貸出はできませんが、学科書庫のPCで鑑賞することができます。かなりマニアックなものもあるので、「もしや…」と思いつく作品があれば、ぜひドイツ文学科の書庫に遊びにきて下さい!





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