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  • 日本大学ドイツ文学科

「#今週のドイツ語」(ドイツ語の慣用表現を知ろう)

更新日:2021年10月30日


 皆さんは、ドイツ文学科のtwitterをご覧になっていますか。学科のお知らせだけでなく、ドイツ関連の情報発信もしているので、是非ご利用ください。ドイツ関連ではドイツ大使館もツイッターやサイトで発信しています。その中に、「#今週のドイツ語」というのがあります。ホームページとリンクされていて、ドイツ大使館が用意しているYOUNG GERMANY (https://young-germany.jp/)の中の一つのサイトとつながっています。2021年2月5日は „etwas durch die rosarote Brille sehen“ (直訳すると、「何かをバラ色のメガネを通してみる」)が紹介されています。使い方は、夢のような話をする、大げさにポジティブに捉える、などであると説明されています。「バラ色のメガネ」で見れば確かにそうかも知れません。ドイツ語の例はネットのWiktionary では、„Mancher Künstler sieht die Welt durch die rosarote Brille und geht nicht kritisch mit der heutigen Situation um.“が挙げられています。訳せば、「世界をバラ色のメガネで見ていて、今日の状況に批判的に取り組まない芸術家がいる」という感じでしょうか。日本語でも「色眼鏡で見る」という表現がありますが、これは偏見や先入観で判断することで、ネガティブな意味合いになります。物事の見方を「メガネ」を通すということではドイツ語も日本語も同じような感覚があることが分かります。


 日本語の「色眼鏡」という語を「サングラス」の意味で使う人はほぼいませんが、この慣用表現では「色眼鏡」のみが使用可能で、「サングラス」や使えません。このように一つの用法のためだけに覚えなければならない慣用表現の学習は大変ですが、同時に文化的なことを学習できるので、慣用表現は役に立ちます。その点で、「#今週のドイツ語」はお勧めです。

 なおこの慣用句の過去の解説は本にもなっています。『ドイツのことばの図鑑』(ISBN: 978-4046046000)です。Forsch im Hals haben (直訳「喉にカエルがいる」)などはどんな意味で使われているのか?などいろいろと文化的な事を知るのも楽しいですね。ドイツ語(あるいはヨーロッパの言語)を勉強していて印象に残るのは、動物をどのような文脈で使うかです。ドイツ語以外の言語(たとえばフランス語、イタリア語 ...)でも、すごい記憶力を持っているのは、象 „Elefant“ というのが定番ですが、私から見たらとても不思議です。でもそういう背景があるので、情報整理ソフトで有名な „Evernote“ のマークは象です。

 上で紹介した本はドイツ語の発音をカタカナで表記しています。ただ、Hundstage(「犬の日」→「うだるような暑さの日々」)の発音は「フンズターゲ」となっていますが、「フンツターゲ」の間違いです。ご注意を!さて以上がサイトと本の紹介でしたが、そんなことは、kalter Kaffee (「冷めたコーヒー」→「とっくに知っている不要な情報」)だよ、と思っている人もいかもしれませんね。


保阪 靖人 

象のような記憶力

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