もうご存知の映画ファンも多いかも知れませんが、昨年2019年に公開されドイツ本国で話題を呼んだ映画をご紹介します。日本では本年6月から公開されています。フェルディナント・フォン・シーラッハの原作小説を映画化したもので、往年のマカロニ・ウェスタンのスター、フランコ・ネロが犯人役で出演しているのも見どころです。
あらすじは、ドイツ経済界の大物マイヤーが、イタリア系で模範的市民と思われていたコリーニに殺害されますが、コリーニは動機について何も語ろうとはしません。国選弁護人として選ばれたのはトルコ系のカスパー・ライネンという新人弁護士で、彼にとっては被害者のマイヤーは大切な恩人にあたる人物でした。証拠は揃っており、裁判は簡単に済むと思われていたのですが…….、という設定です。
見ていて私は最初の方でプロットが分かってしまったのですが、戦後のドイツ司法の問題点を抉(えぐ)りながら、法の正義を問う優れた作品に仕上がっていると思います。機会があればぜひ一度ご覧ください。いわゆる「事件もの」で謎を解明するタイプの映画ですから、私は予告編は見ませんでしたが、ご覧になるならやはり予告編は見ない方が良いのではないかと思います。
(文責:安達)
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