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日本大学ドイツ文学科

コロナ危機の中のドイツ再統一30周年 ―学科新企画のお知らせもかねて―


 「ステイホーム」、「社会的距離」などの言葉が日常で新しく使われるようになりました。これはもちろん新型コロナウィルスの感染拡大という世界的な大問題によるもので、ドイツでも「Coronakrise(コロナ危機)」、「soziale Distanz(社会的距離)」などの言葉が使われています。研究者の間では、最近の新語が研究、観察の対象になっています。世界を取り巻く状況の変化によって、新しい言葉が生まれたり、言葉の新しい使われ方が生じているのです。

 コロナ後の世界では、社会・生活のあり方がこれまでとは変わるであろうという声も耳にするようになりましたが、ドイツでは30年前にも国自体の大きな変化がありました。今年でドイツが再統一されて30周年を迎えます。当時を思い出してみようと(学生の皆さんはまだ生まれていませんが)、当時よく使われた言葉を探してみました。ドイツでも毎年「流行語大賞」ならぬ「Wort des Jahres(今年の言葉)」が発表されるのですが、当時そこで選ばれた言葉には、「die neuen Bundesländer(新(らしく加わった)州)」(1990)、「vereintes Deutschland(統一ドイツ)」(1990)、「Reisefreiheit(旅行の自由)」(1989)、「BRDDR(BRD(西ドイツ)とDDR(東ドイツ)を合体させた造語)」(1989)、「Trabi(東ドイツの国産車トラバントの愛称)」(1989)などがありました。このような言葉をきっかけとして、当時を垣間見てはいかがでしょうか。  さて今年度、学科では新しい試みとして、学科全体でテーマを設定して、それを集中的にさまざまな授業で扱う期間を設けます。その第一回目のテーマが「ドイツ再統一30周年」です。学科教員がそれぞれ自分の研究領域の視点から、このテーマを扱うので、ひとつのテーマでもいろいろな捉え方を体験できることでしょう。各教員がどの授業でこのテーマを扱うかはまた皆さんにお知らせしますが、10月1日から10日を期間として設定しており、この期間中は履修届を出していなくても、あるいはほかの学科の学生さんでもこれらの授業に参加することができます。将来的には、学科テーマを持つという企画を続ける方向で考えていますので、学生の皆さんも、何かテーマとして案がありましたら学科に提案してみてください。


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