2002年の夏、初めてウィーンへ行き、1週間ほど滞在しました。シェーンブルン宮殿やホーフブルク宮殿で、ヨーゼフⅠ世やマリア・テレジアゆかりの部屋を見学、シシィ博物館訪問(かなり見ごたえのある展示だったと記憶しています)、それからシュテファン大聖堂やブルク劇場。。。街中の散策。。。まではよかったのです。
こうして芸術と音楽の都ウィーンを探索し、堪能するはずでしたが、人生には何らかのアクシデントがつきもののようで、旅の同行者がとつぜん不調を訴え、病院へ行くと言い出しました。海外の病院は私たちにとって初めての経験です。どこにあるかもわからない。UバーンでNussdorfへいき、Heiligenstätder St.を歩き、道を訊ねながら、保険会社が提携するPrivatkrinikへ向かったのでした。
白い壁の清潔な待合室があるそのクリニックは、「病院」のイメージからは遠い、ホテルのラウンジのようなくつろいだ雰囲気がありました。受付後、20分ほどして一人の女性(医師)が待合室にやってきました。とても親切な態度で患者である私の連れに握手を求め、診察室へと私たちを案内してくれました。連れに代わり、私が
病状を説明し、いざ診察。診察台で触診。腸がぐるぐるいってますね、血便は出ますか?熱はどうですか?など一連の質問のあと、血圧も110と低いですね、と医師。
私:「不調の原因は何ですか?」
医師:「ウィルスによるのかも。。。」
ということで、薬の処方+しばらく外出はNG、Teeをたくさん飲み、食事はZwiebackのみという処方でした。
帰路Apothekeで薬をもらい(3ユーロ60セント)、スーパーでTee とZwiebackを購入。翌日から連れのウィーン観光は一気にホテル療養に変更。私もなんとなく介抱する立場になり、時間の許す範囲で、独り街歩きの旅程となりました(それでもクリムトのベートーヴェン・フリーズだけはしっかり観てきました)。
病院の帰路、期せずしてフンデルトヴァッサー(Hundertwasser,1928-2000)によるデザインの建築物「シュピッテラウ焼却場」を見つけ感激!
20年弱経った今でも、私たちのウィーンの思い出は、ツヴィーバックとフンデルトヴァッサーです。大阪にあるフンデルトヴァッサーのゴミ処理場は建設当初、地域の反対を受け評判は芳しくなかったようですが、気持ちにゆとりのもてるような建造物や街づくりは大切だと思います。 (関口なほ子)
Comentários